「年収90万円」と聞いて、あなたはどう感じますか?
驚き、不安、もしくはこんな年収で生活なんて無理だと思うかもしれません。
しかし、この本『年収90万円で東京ハッピーライフ』に登場する大原扁理さんは、東京で静かに、穏やかに、そしてとても幸せそうに暮らしています。
大原さんの丁寧で無理のない生活から、「足るを知る」「自分の感覚を信じる」「モノやお金との関係を見直す」そんな生き方のヒントを紹介していきます。

目次
足るを知る暮らしが心を満たす
朝昼晩すべてに「心地よさ」がある
大原さんの一日は、とても静かで、豊かです。
- 朝:湯たんぽで温まり、白湯や紅茶をゆっくり飲み、足湯や読書
- 昼:中華麺や蕎麦、図書館や直売所への散歩
- 夜:玄米と味噌汁を腹六分
一つひとつが高級なわけではありません。でも、その“実感のこもった時間”が、暮らしに静かな満足感を与えています。
幸せの基準は「自分の感覚」で決めていい

他人の「当たり前」に合わせる必要はありません。大切なのは「自分がどうすれば幸せか」を知ることだと大原さんは言います。
大原さんは、自分の感覚を信じ、無理のない日々を選んでいます。
- 年収にこだわらない
- 都内家賃3万円の物件に住む
- 週休5日
人とは違う。それでも「生きている感じがする」。この感覚こそが、幸せの核にあるのです。
やりたいことがなくても大丈夫
「やりたいことがわからない」という焦りを抱く人は多いですが、大原さんは言います。
「やりたくないことを避ければいい」
周りに合わせて苦しくなるより、できることを、静かに淡々とやる。できないことに注目をするのではなく、今自分にできることを行う。やりたいことはわからなくても、やりたくないことは案外わかりませんか? そんなスタンスが、とても軽やかで安心感があります。
食・衣・住は「好き」と「楽」で選ぶ
食:粗食こそがごちそう

スコーンと紅茶は、庶民の食べ物。おにぎりとお茶みたいなもの
スコーンと紅茶と聞けばなんだかオシャレな感じもしますが、イギリス生活が長かった大原さんから見れば、日本でいうおにぎりとお茶みたいなもの。地域や人が変われば感じ方も違います。その人にとってのシンプルなものでいいのです。そのように話す大原さんの食事は、シンプルです。
- 朝:トーストまたはスコーン、ジュース
- 昼:蕎麦か中華麺
- 夜:玄米、一汁一菜
このように食べるものを決めておけば、食に悩まない暮らしが叶います。シンプルイズベストですね
衣:気持ちのいい服を、必要な分だけ

- 背筋は曲がっているが全身GUCCI
- 背筋がピンと伸びているが服はTシャツにジーンズ
どちらが魅力的ですか。言うまでもありませんね。
見るべきなのは服ではありません。その人の状態、筋肉、背筋。服は装飾なのです。
その点、服は、着心地と実用性を重視しています。
- Tシャツ5〜6枚
長袖シャツ2枚
トレーナー1枚 - 半ズボン2枚
黒ジーンズ3本 - 足元は下駄やスニーカーなどを気分で選ぶ
“自分が喜ぶものを、無理なく持つ” それだけで、毎日が快適になります。
住:家賃のために働かない暮らし

住まいは「恋人のような存在」だと大原さんは語ります。選ぶ条件はシンプルです。
- 騒がしくない
- 目立たない
- 掃除が楽
- 家賃のために働かなくていい
自分の出せる家賃の2〜3割引きにすると生活がさらにラクになるそうです。家賃のために働かなくていい!!
・5万円なら3~4万円
・7万円なら5~6万円
・9万円なら7~8万円
お金と暮らしの“心地よい距離感”を持つ

お金を「かわいい」と思えたら、使い方が変わる
日本に住む人の中から、「このお金は自分を選んで来てくれた」と思えば、大切にしたくなる。無駄になんてできません。そんな感覚で接することで、お金は“使うもの”から“育てるもの”に変わるのかもしれません。
お金に振り回されないためのルール
- お金は手段であって、目的ではない。
- その感覚を保つために、「働かないと家賃が払えない」状態を避ける。
- 自分でコントロールできる支出に落とし込むことが、自由につながります。
「自分にとってのちょうどよさ」を知り、誰かと比べるのではなく、自分が心地よく暮らせるラインを知ること。それが、大原さんの「年収90万円でのハッピーライフ」の土台になっています。
【 まとめ】豊かさは“足る”ことの中にある
『年収90万円で東京ハッピーライフ』は、“我慢して貧しく生きる本”ではありません。
むしろ、「お金に頼らず、自分の感覚で満ち足りる暮らし方」を教えてくれます。派手さもないし、成功ストーリーでもない。でも、読後にじんわりと湧き上がる「こういう暮らし、いいな」という気持ちを教えてくれます。
生活水準を高く上げるのではなく、本当の自分の豊かさを知ること。本当の幸せは、大きな物ではないのかもしれません。何気ない日々こそが幸せなんだと感じます。やりたくないことではなく、自分が心地よいと感じる物に時間を使っていけたらと思います。
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